アドバンスディレクティブとは|概念と、実際の活用について
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本講義では、アドバンスディレクティブの基本的な概念から具体例と、その他の似た概念の用語の説明をわかりやすく解説していきます。
アドバンスディレクティブ(Advance Directive:AD)の定義
アドバンスディレクティブ(事前指示)とは、「ある患者あるいは健常人が、将来自らが判断能力を失った際に自分に行われる医療行為に対する意向を口頭または書面にて前もって意思表示すること」と定義されています。
分かりやすく言うと、終末期に自らに行われる具体的な医療行為に対する意向を、自分自身の判断能力がしっかりとあるうちに、前もって示すことです。
アドバンスディレクティブは大きく代理人指示と内容的指示に分けられます。
代理人指示
患者が意思表示をできなくなった際に代わりに決定を行う人を指名しておくものです。
内容的指示
患者が自身の治療についての希望を記録した書面であり、事前指示書とも呼ばれます。
例
・リビングウィル
・蘇生のための処置を試みない(Do not attempt Resuscitation:DNAR)
・呼吸状態悪化時に挿管を行わない(Do not Intubate:DNI)
・腎機能が悪くなっても透析を行わない
・最後まで家で過ごす
アドバンスディレクティブの実際の活用
では、実際に日本ではどれくらいアドバンスディレクティブが活用されているのでしょうか。
ある調査では、救急外来に通院している高齢者のうち、約9割の方は延命治療を望まないと回答している一方で、その希望を家族や周囲と話し合った方の割合は1割程度だと報告されています。
さらに、日本国民の6割程度は自宅での最期を望んでいるとされていますが、実際に自宅でお亡くなりになる方は全体の1割程度だそうです。

このように、実際にアドバンスディレクティブはまだまだ浸透しているとは言えません。
そのためにも、自分自身の判断能力がしっかりとあるうち、家族や周囲の人たちと、自分自身の終末期における医療や最期を話し合うことが大切です。その話し合いのプロセスのことを、アドバンス・ケアプランニング(Advance Care Planning:ACP)と言います。
日本では、「人生会議」と呼ばれています。
アドバンスケアプランニングとは?
アドバンスケアプランニングとは、「将来の自己決定能力の低下に備えて、今後の治療・療養についての気がかりや価値観を、患者・家族と医療従事者が共有し、ケアを計画する包括的なプロセス」と定義されています。
分かりやすく言うと、アドバンスケアプランニングが意思決定のためのプロセスであるのに対し、アドバンスディレクティブ(リビングウィル)は意思決定の結果としての意思表示を指します。

まとめ
いかがだったでしょうか。アドバンスディレクティブは、将来の治療やケアについて本人の意思を明確に残す大切な手段です。代理人の指名やリビングウィルの作成など、意思決定を支える準備を整えることで、本人の尊厳を守る医療につながります。学んだ内容を明日からのケアに活かしていきましょう。