“犯人探し”をやめたとき、家族ケアは動き出す
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2 月 27日(金)かぞくLabo「家族ケア探偵シリーズ『声かけ捜査ファイル 心理学的視点からの謎解き』」を開催しました。
講師
東北福祉大学総合福祉学 福祉心理学科 教授 三谷 聖也先生

■ 家族ケアの“真犯人”は誰か?
今回のセミナーでは、仮想事例をもとに「対立の真犯人は誰か?」という問いからスタートしました。しかし講義の中で明らかになったのは、悪意のある犯人は存在しないという事実です。対立を生み出していたのは、お互いを想いすぎるがゆえに絡まった“コミュニケーションの悪循環”でした。
■ アサーションとIメッセージという鍵
アンケートでは「Iメッセージ」「アサーション」「リフレーミング」といったキーワードが多数挙がりました。特に『アイメッセージを引き出す質問』は、多くの参加者にとって明日から実践できる具体的技術として印象に残ったようです。
『攻撃は不安に対する防衛』『まずは全肯定する』『困りごとに焦点を当てる』といった心理学的視点は、家族ケア専門士としての関わりを一段深める学びとなりました。
■ “中立の司会者”という医療者の役割
家族と本人の意見が対立する場面で、どちらかの味方になるのではなく、中立の立場でIメッセージを引き出す“司会者”になることの重要性が強調されました。
参加者からは「犯人探しをしていた自分に気づいた」「主語を自分に戻すことを意識したい」といった内省の声が寄せられました。

■ 学びをどう活かすか
『すぐに結論を出そうとせず、小さな変化を丁寧に見る』『全肯定したうえで“あなたにとって”と問いかけたい』など、具体的な行動変容の言葉が多く見られました。
家族ケアは技術であり、同時にマインドセットでもあります。自分も相手も大切にする姿勢こそが、終末期における家族支援の土台となります。
■ 家族ケア専門士としての一歩
本セミナーは、すでに資格を持つ方にとって、実践を振り返る貴重な時間となりました。
心理学的視点を持ち、コミュニケーションの悪循環を見抜き、Iメッセージを引き出す問いを投げかけること。それは、家族の後悔を減らす支援につながります。
日本終末期ケア協会では、家族ケア専門士として現場で活かせる学びを継続的に提供しています。家族ケアの本質を体系的に学びたい方は、ぜひ本資格をご活用ください。
【家族ケア専門士】について

「家族ケア専門士」は、現代の家族観を理解し、患者と等しく家族を尊重する支援者です。
患者だけでなくその家族もケアの対象であることを認識し、家族へのケアの手法や事例を学びます。また、第三者として、家族とのより良い関わり方を考える場を生み出していきます。
家族のかたちが様々であれば、ケアの手法も様々です。病期や疾患ごとの家族ケアをケースに応じて学び、より良い家族支援を模索しましょう。

